今、誰に何を伝えるのか

昨日無事叔父・叔母と連絡がとれたそうです。
母がさぞほっとしただろうと思うと私もほっとしました。


とはいえ、
まだまだ多くの方にとっては
まだ安否の分からない家族がおられたり
不安な日々を過ごしていらっしゃることと思います。



今回、テレビで繰り返し報道される
震災の様子を見ていて
それはほんのわずかな関わりしかない
当事者とも言えないかもしれない目を通してだろうけれど
なんだかちょっと違和感を感じています。



関西大震災のときにも
テレビで報道される様子と実際の街の様子とのギャップに
驚いた記憶がありますが
街の壊れ方は決して一様ではなく
あるところが局所的に壊滅的になっても
すぐそばではほとんど被害のないところもあります。
言葉の使い方は間違っているかもしれないけれど
ドラマタイズされていないその風景のもつリアリティは
ずっと今も心に残っています。



どうしていつも一番酷いところを
不安を煽るかのような叙情的な抜粋ばかりするのに
もっと全体を俯瞰するように冷静に客観的に
はたしてどこまで水があがってきて
どこがどのような崩れ方をしてという災害の地図を
まとめてみたりしないんだろう。



多くの避難所で家族を求めてさまよう人を撮るのに
避難所で毛布一枚くるまって疲れた人を撮るのに
どうしてそこに貼られている
避難所にいる人たちの名簿を素通りしてしまうんだろう。



電力会社や
耐震の方法や法律を今、非難したり分析したりするよりも
もっと伝えてほしいことがある人たちがいるはずなのに
そこがすっぽり抜けた落ちたまま
どのチャンネルをまわしても
いつも同じ断片的な映像がループしているばかりで
みんな同じことばかり言っている。



まず最初に連絡のとれたいとこにメールを打って
届くまでに2日かかったと母がもらしていましたが
(携帯のショートメールなので電話回線ゆえに)
みんながバラバラにやたら安否確認をして回線をパンクさせて
今、本当にそれが必要な人のための機能を奪ってしまう前に
できることってあるんじゃないんだろうか



どこか遠くの暖かな中お腹も満たされただれかのためだけでない
もっと今災害のただ中にいる人たちのために伝えることって
あるんじゃないのかな。