軒天ややできました

lab--32009-01-30



こんにちは。
現場も早、半月が経ちました。


こんな放置がちなブログでも
意外にいろいろな人がチェックしてくださっていることが分かり
感謝感激です。


先ほど、サロンの椅子のことを打ち合わせるため、
村上椅子さんと電話していたら
「なくなってしまった現場ってどっちですか?
(実はどちらもお願いしていたのだ!)」と聞かれ
あーそういえば、お知らせするの忘れてました!
なんて話になりました。


本当に建築はいろいろな人の協力で成り立つので
乱暴なやり方ではあったけれど
ブログでお知らせしておくのも一つの手かな、と思いました。



はい。昨日の現場です。


スタッドが立ちました。
今回は防音仕様になっているので
既存壁とは縁を切って、新しく簡易な構造体を建て
そこに壁を貼ります。
強化石膏ボードを12.5ミリと15ミリの二種類。
それを千鳥にあっぺこっぺに貼ることで
ボードとボードのすきまからの音の出を防ぎ
その間に遮音シートもはさみます。


これがそっくり概形というわけではないのですが
ここが防音の範囲です。
天井高も見えてきて
空間が少しだけ輪郭を見せ始めました。
こういう躯体が見えてきた瞬間は
すごくワクワクして好きな段階です。


これから一度壁を貼って
それからもう一度中のスタッドを建て・・とかいう
ややこしい工程。



監督さんと「昼過ぎ」というアバウトな約束をしていたら
前の現場でいろいろあったそうでなかなか登場せず。
そこで、現場入口で所在なく待っていると
ちょうど入口のモルタル作業中で近くにいた
工務店のTさん(本名出してもいいか聞くの忘れたからふせてみる)が
作業をしながらいろいろお話してくれました。


名付けて「Tさんの残酷物語」


その日はTさん、モルタルの下塗りをしていたんだけれど
(職人さんを入れる前の区分の曖昧な仕事を担当している)
塗ったばかりの足元の床が心配で
シャッターをおろしつつ
うっかり自分の右手が子扉の上に置かれていることも忘れて
シャッターをおろしたそうな。


うぎゃー・・!と叫び声が聞こえて
走ってきた軽天屋さんのお兄さんが
慌ててシャッター上げるのボタンを押すと
Tさんの手は鬱血し、見事にくぼんでいた・・・


その手を見せながら
会社に入ってすぐ丸鋸で切った跡やら何やらをご披露してくれて
(切ったその日もコンクリート打ったそうな)
笑ったらあかん、笑ったらあかん・・と思いつつ
こらえることができませんでした。


軽天の職人さんは
「Tさん、仕事のオニやな・・
シャッター下ろすとき、床見んと自分の手見いや・・」と
つっこみ。


きっと私がしょぼけた顔をしていたから
自らを投げ打って笑いを取りに行った話(?)を
披露してくれたのかと思うと
じーんとしてしまいます。
その後、厚めの絆創膏を買って
ささやかにTさんに貼ってさしあげました。


工務店にも確かに地域性があります。
大阪の現場は大阪っぽい。
京都はもっと「まったり」しているけれど
それとは違うキレがあります。



やっぱり現場はいいな。
現場では聞かれる「ファイナルアンサー?」が
チキンハートの私としては最もドキドキしてしまいますが
1/1で形になっていく作業
そしてそれがリアルに人の手を借りてできていく様は
人間の成長にも似て
とても感動的なひとこまだと思います。
後ろを振り返らず前に進んでいく感じが好きです。


それでは、また。
日々成長の現場の模様を
なるべくお届けしようと思います。


*写真はまったくうまくとれていませんが(暗くてブレた)
背中がやさしいTさん。ありがとうございます。