意地をはる

こんにちは。
1月も早、下旬!
あまりに色んなことがあり過ぎて、バタバタマックス
ブログの放置に輪をかけてしまいました。


1月の半ばより現場に入っております。
お施主さんから「ブログに書いてもいいよ」と許可をいただいたので
書こう、書こうと思いつつ、
まったくキャッチアップできておりません・・・


ちなみに、テナントのサロンの内装のお仕事です。
この模様は今度こそ、必ずアップしたいと思っています。
何せ1ヶ月強で終わってしまう現場なので、早く追っつかなければ・・・



閑話休題
本日はまた脱線で(多分)1週間くらい前に見たテレビの話題。
マグロの仲買人の方のドキュメンタリーのお話です。


「うまいマグロしか買わない」というポリシーのもと
産地や漁法にこだわらず
自分の信じた自分のうまいと思うマグロを買うことで
今や、有名寿司店の職人さんから
「買ったものをいれて」と信頼されているこの仲買人は
当然若い頃、いろいろな修羅場もくぐられた、とのこと。
(推して知るべし)


中でも、誰も見向きもしないけれど
自分がうまいと認めたマグロを競り落とすとき
本来ならば、競争相手がいないのだから最安でも落とせるけれど
そのマグロの価値に見合う値をきちんとつけて
それをとった漁師さんを適切に評価して、産地を守りたい
そしてそれが自分の仕事だ、というくだりには
グっときてしまいました。(本気で泣けた)


ある意味、設計の仕事って仲買人の仕事と近いと思うのです。
自分でマグロとるわけじゃないけれど
マグロをとる漁師さんとそれを口に運ぶお客さんを結ぶ人。
自分のやった仕事でしか評価を得られない人。
なんだか本気で反省してしいまいました・・・



今、現場をやっているから余計そう思うわけですが
世間の工務店に対するイメージがあまりに酷くて
本当に心が痛くなります。
そして
「この人たちの仕事をちゃんと世に知らしめたい、
評価してもらいたい」という気持ちが
本当に強くなります。


もう本当に頭の下がるような仕事をもくもくとされてますよ!
本当は額を決めて契約するから
工夫しようがしまいが、自分の実入りには変わりないし
「この方が使いやすいかも」
「この方が問題が起こりにくいかも」とか考えること自体が
本来、自分で自分の首をしめますが
いくつかある仕事の一つとして捉えないで
とっても丁寧に心をこめてやってくださる。
特に寒いこの時期、涙が出そうになることがままあって(年のせい?
缶コーヒーの1本や2本、差し入れたくもなる。
(同じくらいの確率で監督さんから逆にいただいちゃうんですが)


特にバブルの置きみやげのせいか
建設会社=ぼったくりという
あまりに陳腐で短絡的なイメージがこびりついているのですが
そんなことはありません。


この間読んだものの本によると
建設会社(=コーディネーター)の原価率は
ハウスメーカーで70%後半、注文住宅の工務店で80%前半だそうな!


普通にお商売やっておられる方も、そうでない方も
お洋服を売ろうが、飲食をしようが
たいていの商売が原価=3割、経費=3割、利益=3割を
ベースにしていると思うのですが
それが経費+利益=2割弱って、どんな商売やねん!というお話です。
(ものを右から左に流す商社だって、利益で2割という話です)


また、一つは建設にまつわるお金の単位が大きいから。
もう一つは、あまりに経験値の少ない買い物だから
誰がどういうプロセスを経てどんなリスクをおかして
どうつくっているということが
見えにくいのでしょうね・・・


対岸の火事には涙は出ない。
アメリカに住んで、そこに働く友達がいたからこそ
ワールドトレードセンターが崩壊したときはぼっろぼろ涙が出ましたが
イスラエルの攻撃はやはり遠いですもん。



マグロ仲買人の話に戻ると
こうして、いいマグロをきちんと買うという
しごく単純で、しかもものすごく難しいことを
「意地をはる」と表現していたのが印象に残りました。


普段はワガママにも通じそうなネガティブなイメージを持った言葉ですが
「意地をはる」
味のある言葉です。
こういう「意地の張り方」
私もいつも心に置いて仕事したいと思っています。



ではでは。
私のすぐにでもできる(?)意地はり第一弾として
現場報告、今度こそしますよ!