これでいいのだ

こんにちは。
久しぶりにブログを書こうと前の日記を読むと
毎回季節が変わってしまっていることに少々驚きます。
暑さ厳しいですが、いかがお過ごしですか?



赤塚不二夫先生が亡くなり
知り合いでも面識あったわけでもないのに
なんだか心の中にぽっかり穴があいたようです。
タモリの弔辞で号泣)


実際会ったことがない人でも
ときにこういう人がいるものです。


赤塚不二夫先生って本当にすごいんじゃないかと初めて思ったのは
どこかのテレビであみだくじのようにストーリーが進んでいく点字絵本の
製作ドキュメンタリーを見たときのことでした。


興味をもってその思想やこれまでの人生、人間関係(特にタモリとの)を知ると
なんだか本当にしみじみしてしまいました。
確かに年取ってああいうお顔立ちということは
お人柄が知れるというものです。


「これでいいのだ」って
教典にのってても不思議じゃないくらいすごい言葉だ。



時をほぼ同じくして
2000年前からあるといわれるインドの舞踏劇「クーリヤッタム」というのを見にいったところでした。


目に隈取りして、表情で表現するところやなんかは、歌舞伎と似ていなくもない。
発声法は能に似ていなくもないけど、もっとヨガに近いかも。
極端に限られた登場人物が、過去の状況をなりきって伝えるところは落語とも言えなくもない。
全体としては神事なので(打楽器ベースだし)雅楽と共通するところもあり。


ヒンドゥー教に沿った古代の王の叙情詩を元にして
インドならではの人間としても生きている神様や古代の王様をめぐる人間模様を
ほとんど手話のような踊りのような不思議な動きと発声法のような歌で伝える原始のエンターテイメント。


笑いとかダンスとか歌とか表情とか息づかいとか
そういう何かとても本能的な人間の感情から
遠く離れた人にも人生観をおすそわけするというようなことが
赤塚不二夫先生の持つある種の大きさとも通ずるような気がして
なんだか深い感慨を覚えてしまいました。



阿久悠さんじゃないですが
「時代遅れ」というのが一番新しいことなのかもしれません。