これなんだ


こんにちは。


ここ数日、
なんだか仕事のこと、ひいては人生のことに悩み始めたら
すっかり沼に落ちてしまって
にっちもさっちもいかなくなったので(←能率かなり低下
えいっ!と思って
マイケル・ジャクソンのロンドン公演リハーサルドキュメンタリーの
this is it」を観てきました。


結論から申し上げますと
二週間しか上映してないそうですので
マイケルファンじゃない人はなおさら
ぜひとも観てみてください。


わたしはオットが観られていないので
(そしてこの人一人で映画に行けないので)
もう一度観に行こうとさえ思っています。



いやーすごかった。
とにかく自分がものすごくちっちゃく思えて
がんばれよ!と背中押された気がしました。
最初から最後まで涙腺がおかしくなってました。



どういうところがすごいかというと
ものをつくるということのすごさと
カリスマ性のほんとのところって何なんだということが
端々からにじみだしてたところ。



あれくらいの地位と名声がある人だから
復帰公演とか言っても
所詮ちょっと出でほとんど他の出し物でつなぐみたいな
言い方しているメディアがありましたが
あれは一体なんだったんだ!?


ほんとにすごいんです。
オーディションで募ったダンサーは
そもそもさぞかしみんなうまいと思うのですが
そこから選抜されたダンサーはなおさら、だと思う。
しかも20代そこそこの一番体力ある人たちが
週2・3回はしっかり調整しないとついて行けないほどの過酷なダンスに
まったく見劣りしない
どころか、先頭を切って、なおディレクション
しかもマイケル歌ってるし。
息あがってないし。
出ずっぱりだし。
あれを50代でやれるって、死ぬ気でやってたに違いない。
そして、それを今やれたということは
ブランクと考えられていた時代も
きっとずっとトレーニングを積み重ねていたからに違いない。
じゃないとできない。


自分ですごいぞと言ってまわってたり
ブランド力という幻想ですごいと思わしめるんじゃなくて
才能にあぐらをかかずより高みを目指すというその本気を見せることで
みんなが「こういう人と一緒にできるんなら自分も全力出して参加したい!」と思わせる
そういうタイプのリーダー。


しかもものすごく腰が低くておだやかで
チームのみんなをほめてのばしてモチベーション高めてという心遣い。
少年の心を持っていることと
子どもじみて自己中心的に振る舞うことの違いを
この人は本当によく知っている。


本物のすごい人は腰が低いというのは私の人生から学んだ法則。
また本当にすごい人はだれにでも同じようにおだやかに話す。
自信があるからそうできる。
自信というのは自分の才能に対する過信でなく
「きっとやり遂げる」と
自分自身の努力を確信しているからの自信。
これは全然別物。


ときには部下にもピシっと言わなきゃいけないこともあるけど
言っていることの根拠というのが
「オレがオレが」じゃなくて
ちゃんと客席に座ってお客さんの視点で冷静に見ている
もう一人のディレクターマイケルによる説得力あるものだから
みんな納得してついてくるし
それが信頼や尊敬につながってる。


とにかくマイケルが
一人一人のスタッフを
慈愛をもってレスペクトしている姿が
本当に美しいと思いました。



大衆に開いた音楽をつくるということは
すごくつらいことだったんだろうな、と思う。
だからこそのゴシップとスキャンダル。


わたしは元々の性や年齢とは全く別に
世の中にはおばちゃんとおっさんと
少女と少年が存在していると思っています。
元々の性や年齢に関係ないとは
熟年女性でもおっさんはいるし、少女も少年もいる。
逆に男性にもおばちゃんはいるし、少年もいる。


アメリカという国はおばちゃんの多い国です。
日本も近年おばちゃんが多くなっていると思う。


少年とおばちゃんの相性は
いいときはいいんだけど
ダメなときは少年が本当につらいと思う。
それは推して知るべし。
マイケルがもう歌えないとか踊れないとか
あんなの全部嘘だったじゃん。
出てこなくなるとその好奇心の矛先を攻撃に変える。
なんてこった。
さぞかしやつらかったし
傷ついたんじゃないかな、と思う。


それでもなお大衆に開くことをあきらめずに
最後まで客目線で愛を貫いて命削って。


最終的に仕事は自分のためだと思うから
そういう意味で決して自己犠牲的なものではなかったと思うけど
この人、こんなにすごかったのか、と
本当にずっと思わせた
そういう映画でした。



よかったらぜひご覧下さい。
映画館で見ると、マイケルを本当に近くで見られます。
そして寂しい気持ちでいっぱいになります。
あんなにディレクションに深く関わってたら
寝ようと思ってもグルグル考えちゃって
寝られなかったよね。



あぁマイケル。こんなに大きい人だったとは。